surgeryvitreous surgery日帰り硝子体手術について

対象疾患について

1.黄斑前膜

黄斑部に病的な膜が張る病気です。網膜の中心部である黄斑部に病的な膜が張る病気です。視力にとって最も大事な黄斑部に膜が形成され、網膜を引っ張る事が原因となって視力が低下したり、ゆがみを生じるようになります。原因は周辺部網膜に穴が開いたり、ブドウ膜炎といった炎症や糖尿病がありますが、全く原因がなくても起こる事があります。硝子体手術で黄斑前膜を除去すれば再発することはありません。放置した場合は徐々に視力が低下し、手術しても改善しにくくなりますので、視力が落ちたり、ゆがみがでたら早めに手術を行います。

  • 黄斑前膜

    白矢印部分の網膜がひきつれている。断面 写真でも網 膜が引っ張られ盛り上がっている。 視力低下とゆがみ をきたす。

  • 硝子体手術後の黄斑前膜症例

    網膜のひきつれが改善している。視力が改善し、ゆ がみが軽減することが多い。

2.黄斑円孔

黄斑部に穴が開く病気です。網膜の中心部である黄斑部に穴が開いてしまう病気です。視力にとって最も大事な黄斑部に穴が開いてしまうわけですから、視力は低下し、見ようとする中心部分がつぶれて見えるようになります。原因は硝子体による黄斑部網膜への異常なけん引力とされ、硝子体手術が有効です。一度の硝子体手術で95%以上が治癒し、手術後1日~数日間のうつむきが必要となります。長期間放置された場合は円孔が閉じにくくなったり、閉じた場合でも視力が改善しにくくなるため、見つかったら早めに手術を行います。

  • 黄斑円孔

    矢印部分に円形の穴が開いている。断面写真でも網膜の連続性がなくなっている。視力低下やものがつぶれて見える。

  • 硝子体手術前の黄斑円孔症例

    矢印部分の穴の輪郭が消失しており、円孔の閉鎖が確認できる。断面写真でも網膜の連続性が回復している。視力やゆがみが改善する。

3.眼底出血

網膜静脈分枝閉塞症網膜を走っている静脈の枝が、動脈の圧迫により閉塞した状態です。閉塞した部位より末梢側に出血を来し、黄斑部の腫れを合併すると視力が低下します。抗VEGF療法が有効な事が多いですが、何度も注射が必要になる場合が多く、金銭的負担が重くなります。他の治療方法としてはレーザー治療、硝子体手術などがあります。

網膜静脈分枝閉塞症

網膜の上半分に赤いしみ状の出血や白斑と呼ばれる白い斑点が出現している。断層写真では網膜中心部の腫れが確認できる。

網膜中心静脈閉塞症網膜を走っている静脈の中心部分が閉塞した状態です。部分的な閉塞で起こる網膜静脈分枝閉塞症よりも重症で、ほとんどの場合で黄斑部が腫れ、重篤な視力低下を来します合は、緑内障に進展することもあり慎重に経過を観察する必要があります。治療方法は抗VEGF療法やレーザー治療、硝子体手術などがありますが、治療の効果はあまり高くない場合が多いです。

網膜中心静脈閉塞症

網膜全体に広範囲な出血を認め、断層写真でも激しい腫れを認める。

4.網膜剥離

網膜がはがれる病気です。網膜剥離とは眼内で最も重要な、ものを実際にみている網膜という膜がはがれてしまう病気です。様々な原因で起こりえますが、中でも多いのは裂孔原性網膜剥離といって、網膜に穴が開き、そこから網膜の裏に水が入り込んでしまうためにおこってしまう網膜剥離があります。場合によっては数日で全剥離となってしまうため、見つかった場合は数日以内にできるだけ早めの手術が必要です。当院では網膜剥離も日帰り手術で行っており、術後に体位制限がある場合は専用の枕などを無料でお貸出ししております。

網膜中心静脈閉塞症

網膜に穴が開き(矢印)、網膜の下半分がはがれている。一部網膜の裏面に増殖膜が張っており、しわが寄ってしまっている。

硝子体手術前後の網膜剥離症例硝子体手術前後の網膜剥離症例

日帰り硝子体手術によって網膜が元どおりの状態に復位している。網膜が復位した事によって網膜のしわも解消している。原因となった穴の周りにはレーザー治療が施され、再剥離を予防している。

5.糖尿病網膜症

糖尿病があるのに放置し続けると…糖尿病の三大合併症の一つに糖尿病網膜症があります。 糖尿病とは全身の毛細血管が閉塞してくる病気であり、毛細血管の豊富な網膜は全身の組織のなかでも障害を受けやすくなります。 糖尿病と診断されているのに放置し続けると、網膜の毛細血管がつまり、血流が途絶えてしまいます。さらに放置すると新生血管というもろくて不完全な血管が網膜上に出現し、突然出血したり(硝子体出血)、網膜を足場に増殖膜という病的な膜が張ってきます(増殖糖尿病網膜症)。他に網膜の中心部である黄斑部に腫れ(糖尿病黄斑症)を来したりする事があり、極端な視力低下の原因となります。初期の場合には視力低下や痛みなどの自覚症状も全くないため、放置されがちですが、自覚症状がでたときには既に治療が困難である事も少なくありません。糖尿病と診断されたら必ず眼科の検診を受けるようにしましょう。

・硝子体出血眼内にある硝子体(ゼリー状の物質)中に出血をきたした状態の総称。本来透明であるはずの硝子体が濁るために極端に見えにくくなる。糖尿病網膜症に併発した場合は、網膜から発生した新生血管が破綻したことによる出血が原因。吸収には数か月かかり、吸収されない場合は硝子体手術を行う。

  • 正常な眼底写真(網膜の写真)

    正常な眼底写真(網膜の写真)硝子体が透明であるため、はっきりと網膜が確認できる。

  • 硝子体出血を起こした眼底写真

    硝子体出血を起こした眼底写真出血によって眼底が見えなくなった状態。視力も極端に低下する。

・増殖糖尿病網膜症網膜の血流が途絶えた状態でさらに放置すると、網膜表面上に新生血管が発生します。新生血管は非常にもらい血管で硝子体出血の原因になるばかりでなく、増殖幕という病的な膜の足場となります。増殖膜は放置すると、網膜表面に広がっていきやがて網膜を引っ張り網膜剥離を引き起こします。剥離した網膜は光を感じるという本来の機能が低下し、視力は急激に低下します。増殖糖尿病網膜症は糖尿病網膜症の最終段階で、硝子体手術しか治療の手段はありません。

  • 硝子体出血を起こした眼底写真

    増殖糖尿病網膜症の手術前眼底写真網膜表面に激しい増殖膜(白い膜)や網膜前出血を認める。増殖膜が網膜を引っ張り網膜剥離の状態となっている。

  • 硝子体出血を起こした眼底写真

    増殖糖尿病網膜症の手術後眼底写真物理的に増殖膜や出血が除去されている。視力の改善や、今後の悪化を予防できる。

・糖尿病黄斑症糖尿病網膜症のなかでも直接的な視力低下の原因となる病態に糖尿病黄斑症があります。これは網膜の中心部分である黄斑部に腫れが生じた状態で、一部視力が低下してしまうと治療が困難となります。治療法としてはレーザー治療、抗VEGF療法、硝子体手術といくつかの選択肢があり、病態に応じて、時に複数の治療を組み合わせる事が多いです。

糖尿病黄斑症の眼底写真

糖尿病黄斑症の眼底写真黄色い斑点は血中の脂成分が固まったもので網膜に腫れをおこした場合に観察される。網膜の中心部分である黄斑膜にたまりやすい。(赤い○で囲んだ部分)

  • 正常な黄斑店の断層写真正常な黄斑店の断層写真

    正常な黄斑店の断層写真黄斑部の網膜を横からみた断層写真。正常な場合中心部分はやや凹んでいる。

  • 糖尿病黄斑症の網膜層写真

    糖尿病黄斑症の網膜層写真糖尿病黄斑症の黄斑部網膜を横からみた断層写真。中心部分の凹みがなくなり、腫れが生じている。また、黄斑前膜という病的な膜を合併している。

その他

当院ではレーザー治療や抗VEGF療法、硝子体手術まで、糖尿病網膜症の治療に必要なすべての治療を行う事ができます。糖尿病網膜症の治療経験の豊富な院長が、それぞれの患者様の病態や社会的背景に応じて、現時点で最適と思われる治療法をご提案させていただきます。全ての治療は医師の独断ではなく、患者様とご相談の上、決定のお手伝いをさせて頂きます。硝子体出血や、増殖糖尿病網膜症、糖尿病黄斑症は硝子体手術の保険適応です。

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