surgerycataract surgery日帰り白内障手術について

03合併症について

頻度は極めて低いですが、重篤な後遺症を残す可能性のある合併症

眼内炎 (0.05%)

眼内にばい菌が入りこんで化膿する事が稀にあります。術後合併症で最も重篤なもののひとつで、放置すると失明に至ります。術後見え方が急におかしくなったり、強い痛みや充血を認めたら必ずご連絡ください。

駆逐性出血(0.02%)

手術中に眼内で突然大出血を起こす事が稀にあり、発症した場合は手術を中止致します。出血の状況にもよりますが失明に至る可能性は0ではありません。

後嚢破損、核落下(0.5%~0.1%)

手術中に水晶体の袋が破れてしまう事があります。破れた時に水晶体の濁りが残っていれば眼内に落下するため、追加の硝子体手術が必要となります。手術時間が數十分~1時間程度延長されますが、視力の回復には影響しない事が多いです。

チン小帯断裂(個人差あり)

水晶体を支えている無数の糸がもともと弱い方であり、眼内レンズを支えきれないと判断した場合は手術を中止し、後日レンズを縫い付ける手術を予定します。術前から予想できる場合にはあらかじめ縫い付け手術の準備をして手術に臨みます。

失明につながる危険のある合併症はほとんどが硝子体手術を必要とします。 当院では硝子体手術の経験も豊富な医師が執刀いたしますので安心してお受けいただけます。


人によって発生頻度が違い、場合によっては後遺症を残す可能性のある合併症

  1. 虹彩脱出

    もともと虹彩(茶目の部分)の張りが弱い場合があり、一時的に創口から眼外に脱出してしまう事があります。見え方に影響することはほとんどありません。

  2. 迷走神経反射アレルギーショック

    手術に対する過度の恐れや眼球圧迫操作が原因となり、一時的に脈が遅くなる方がいます。また、術中使用薬剤が原因でアレルギー反応を起こし、生命の危険を伴う可能性が極めて稀ですがあります。

  3. 角膜浮腫

    手術が原因で角膜を透明にする細胞が減少し、角膜の透明性が低下する事があります。ほとんどの場合一時的で、次第に回復していきます。万一、回復しない場合は極めて稀ですが角膜移植が必要となる可能性があります。

  4. 嚢胞様黄斑浮腫

    術後極めて稀に網膜中心部に腫れを起こし、視力が低下する事があります。術後炎症と関連があり、治療により改善する事が多いです。

  5. 眼圧上昇

    術後眼圧が上昇する事がありますが、点眼や内服で改善する事がほとんどです。元々緑内障などの異常がある方に起こりやすいです

  6. 残留皮質

    術中に発見できなかった残留物が術後に見つかる事があります。視力に影響する場合は再手術で除去致します。

  7. 術後の度数ずれ

    眼内レンズの度数は術前検査の結果を元に決定しますが、角膜疾患や網膜疾患がある方は予測値と大幅にずれてしまう事があります。その場合は10分程度のレンズの入れ替え手術を行います。

  8. 眼瞼下垂・複視・その他

    術後に瞼が上がりにくくなる事が稀にあります。もともと斜視のある方は術後視力の回復が原因となって、ものが二重に見える可能性があります。


手術によって以下のような見え方になる事がありますが、異常ではなく次第 に慣れていくことがほとんどです。

・糸くずが飛んだように見える。・夜間光が散ったり、滲んだりする。・周辺の光が走るように見える。・ややものが青白く見える。・まぶしい