01当院で採用しているレンズの種類と特徴
現在国内で使用できる多焦点レンズは、その種類の増加に伴い、どれを選べばいいかわかりにくい状況です。当院では海外での実績や、学会などでの評価を踏まえ、院長自身がお勧めできるレンズを厳選し、採用しております。それぞれに長所、短所がありますので、わかりにくい場合は遠慮なくお尋ねください。皆様にご満足頂くためには、手術前のしっかりとした理解が欠かせません。現時点では以下の5種類のレンズを推奨いたします。
選定療養対象レンズ
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厚労省より「眼鏡装用率の効果を軽減効果を有する」と認められた選定療養対象レンズです。手術費用部分は健康保険が利用できるため、自費診療対象レンズより費用が抑えられるメリットがあります。手術費用(保険適用)に加えてそれぞれのレンズの種類に応じて追加費用がかかります。ただし選定療養対象の多焦点眼内レンズは回折構造をしているため、ハローグレアが必ず発生します。ハローグレアを出来るだけ避けたい方は、プレミアムタイプのEDOFレンズをお選びください。
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スタンダードタイプ
2重焦点レンズ
読書が好きな方にお勧めの、
最もスタンダードな2重焦点レンズ。遠くと近くの二箇所にピントが合う
テクニス®・
マルチフォーカル遠方と近方にピントがあう最もスタンダードな2重焦点レンズです。夜間に活動する事が少ない方、読書や編み物が趣味の方にお勧めです。近方距離は30cm・40cm・50cmの3種類から選択する事が出来ます。テクニス®・マルチフォーカル
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スタンダードタイプ
連続焦点レンズ
パソコンや事務作業が多い方におすすめ
近方が眼前35cmくらいまで見える
テクニス®・シナジー
テクニス®・シナジー・トーリック遠方から近方35㎝までの距離に連続的に焦点が合う連続焦点レンズです。遠方から近方まで視力が低下しにくく、眼鏡に頼る頻度は最も少なくなります。テクニス®・シナジー
テクニス®・シナジー・トーリックスタンダードタイプ
3焦点自然視覚
レンズパソコンも使うが、夜間の運転をする事もある方におすすめ
ハローグレアが比較的少ない
クラレオン®パンオプティクス
クラレオン®パンオプティクス
トーリック遠く、中間(60cm)、近方(40㎝)の3か所にピントがあう3焦点レンズです。新しい素材を採用し、若いころの自然な見え方と長期透明性を追求したレンズです。グレア&ハローが少なく、夜間の運転が多い方にお勧めです。クラレオン®パンオプティクス
クラレオン®パンオプティクス
トーリック
自費診療対象レンズ
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自費診療対象レンズは、国内未承認のため、医療保険適応外の自由診療扱いとなります。費用や費用に含まれる内容は、各医療機関に委ねられています。当院で自費診療対象レンズを選ばれた場合、費用には、術前検査費、手術費、術後3か月までの診療検査費が含まれます。
またレンズを海外より輸入するため、事前にレンズ代金のみをお支払いいただき、レンズを発注させていただきます。輸送の関係でレンズ到着に遅延が生じた場合、手術日を変更いただくこともございます。(通常は発注からおおよそ3週間ほどで到着いたします。)発注後に手術をキャンセルされた場合、レンズ代金の返金は出来かねますので、予めご了承ください。 -
プレミアムタイプ
5焦点レンズ
フーリエ変換に基づき計算された
新しいアルゴリズムの回折レンズ遠方、遠中、中間、近中、近方の
5焦点にピントを
合わせることができ、
ハローグレアが比較的少なめです。インテンシティー
インテンシティー・
トーリック遠方から近方40cmまで、ほぼ視力の落ち込みなく焦点が合うレンズです。従来の回折型レンズに比べハローグレアが少なく、日常のほとんどの活動を眼鏡なしでカバーできます。また焦点を絞ることで、連続焦点に比べて1m付近の視力が良好です。インテンシティー
インテンシティー・トーリック -
プレミアムタイプ
EDOFレンズ
ハロー、グレアなどの異常光視症が
ほとんどないレンズ。見え方の質が最もよく、
遠くから中間までが強いミニウェル・レディ®
ミニウェル・レディ®
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トーリック多焦点眼内レンズの中で最も見え方の質がよいレンズです。ハロー・グレアの原因となる回折型構造がないため、夜間の運転などが多い方に特におすすめです。ただ近方視が弱く、遠方から中間距離までが見やすいレンズとなります。そこで、片眼にミニウェルレディー、もう片眼に新しいミニウェル『ミニウェルプロクサ』を選択することで、近方視を補うことが出来るようになりました。(ウェルフュージョン)ウェルフージョンは、独自のユニークなシステムで、従来のミニウェルと新しいミニウェルが互いに補完し合うデザインです。それぞれ同じウェーブフロント技術(回折のない波面デザイン)を採用しているため、ハロー、グレアがほぼありません。従来のモノビジョン(片眼を遠方、片眼を近方重視にすることで明視域を広げる)とは異なり、はじめから互いに補完し合うデザインで設計されているため、あらゆる距離、あらゆる光条件での見え方を良好に保ちます。
ミニウェル・レディ®
ミニウェル・レディ®・
トーリック
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- EDOFレンズ
- Extended Depth Of Focus(焦点距深度を広げる)構造です。遠方から中間に強く、近方はやや弱いと言われています。ハロー、グレアなど多焦点レンズの弱点が少ないのが特徴です。
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- 乱視対応
- 乱視が強めの方にも使用できます。
02自分に合う眼内レンズを探してみましょう




03手術費用
単焦点眼内レンズを用いた白内障手術はレンズ費用も含めて保険給付対象となります。
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- レンズの種類
- 単焦点眼内レンズ
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- 手術費用自己負担分(非課税)
- 片眼18,000円〜50,000円程度※
※保険の自己負担割合によって手術費用が異なります。
選定療養は、手術費用(保険適応)に加えてそれぞれのレンズに応じて追加費用が掛かります。
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- 選定療養対象レンズ
- テクニス®・マルチフォーカル
- 追加費用(税込)片眼110,000円
- テクニス®シナジー
- 追加費用(税込)片眼231,000円
- テクニス®シナジー・トーリック(乱視用)
- 追加費用(税込)片眼264,000円
- クラレオン®パンオプティクス
- 追加費用(税込)片眼292,000円
- クラレオン®パンオプティクス・トーリック(乱視用)
- 追加費用(税込)片眼363,000円
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- 追加費用(税込)
- 片眼110,000円
- 片眼231,000円
- 片眼264,000円
- 片眼292,000円
- 片眼363,000円
手術費用の計算方法
例)片眼にテクニス®シナジーを
入れる場合(健康保険が3割負担の場合)*保険割合3割=50,000円、
シナジー231,000円
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手術費用自己負担分50,000円
追加費用231,000円
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合計費用281,000円
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- 自費診療対象レンズ
- インテンシティー
- 手術費用(税込)片眼550,000円
- インテンシティー・トーリック(乱視用)
- 手術費用(税込)片眼600,000円
- ミニウェル・レディ®/プロクサ®
- 手術費用(税込)片眼500,000円
- ミニウェル・レディ®・トーリック(乱視用)
- 手術費用(税込)片眼550,000円
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- 手術費用(税込)
- 片眼550,000円
- 片眼600,000円
- 片眼500,000円
- 片眼550,000円
注)自費診療対象レンズの手術費用には術前検査、点眼、術後3か月までの診察費が含まれます。
04選定療養レンズと
自費診療レンズの違い
2020年4月より、保険外併用療養費制度内の『選定療養』という枠組みで、多焦点眼内レンズを用いた白内障手術が行えるようになりました。『自費診療レンズ』では、手術費用とレンズ代金の全てが自己負担になりますが、『選定療養レンズ』では手術費用を保険で、レンズ代金の一部(保険適応レンズ代金との差額)を自己負担することで、費用が抑えられます。
白内障がない状態で、単に老眼を治す目的での手術は全額自費診療となり、
選定療養の対象とはなりませんのでご注意ください。
お支払いについて
- ・現金支払い、クレジットカードがご利用頂けます。現金でのお支払いの場合、手術当日にお支払い下さい。
- ・プレミアムレンズは海外からの直輸入となり、レンズの取り寄せに時間がかかるため、手術予約から手術まで2ヶ月程度かかります。また、手術費用の中から、レンズ費用分だけを前もってお支払い頂きます。(特注レンズにつき、万一手術をキャンセルされた場合は返金致しかねますので、悪しからずご了承下さい。)

各種生命保険等の申請について
- ・任意で加入されている生命、医療保険にて手術給付金の扱いになっている場合があります。保険会社や契約内容でそれぞれ異なりますので当院での確認は致しかねます。ご自身にてご契約の保険会社にお問い合わせをお願いします。
- ・手術給付金を請求する場合には、医師の診断書が必要になります。保険会社によっては所定の用紙を準備している事もありますので併せてお尋ね下さい。※当院では、診断書の発行に5,500円が必要となり、発行までに2週間ほどお時間を頂いております。予め御了承下さい。
- ・医療費控除については地域によって対応が異なる可能性もございます。控除について当院では対応できませんので、お住まいの税務署にお尋ね下さい。お支払い時に領収書を発行しておりますので、確定申告の際にご利用下さい。